2025.09.10
このこのブログは日々のれっどぱーるのハウスでの作業や、イベントの様子や、
私の感じたことや、経営について勉強したことなどを毎週木曜日に
アップしています。これからもよろしくお願いします。
皆様からの暖かいコメントもお待ちしてます。
2025.9.11
先週は台風が発生して、被害が出なければいいなと思っていたのですが、
牧之原市では竜巻が発生して大きな被害が出ています。
苺のハウスも被害に遭われたところがあり、ニュースの映像を見ても、
突風の威力の大きさが伝わってきました。
実はわたしたちのハウスも役20年ほど前に台風でハウスが潰されています。
私が30歳ころの事なのですが、10月9日の出来事でした。
苺の苗を植え終えて、やれやれとしていたところで、頑張ったご褒美として
家族でディズニーランドに行ったのが、10月7日の事でした。
ディズニーに行くと決めたころは台風の進路は太平洋側を通り過ぎるルートだったのですが、
その後、急に進路を北寄りに変え、静岡県の東部を直撃と言うルートになってしまいました。
楽しんだディズニーから帰ってきてすぐに、ハウスの台風対策をして、やるだけのことをして
あとは、どうなるかは自然任せでした。台風が接近中にハウスが心配になり、様子を見に行ったのですが、
軽トラから降りた瞬間に自分も飛ばされそうになり、このままでは危険だと考えて家に戻りました。
生きてさえいれば何とかなると思い、ただただ台風が早く通り過ぎるのを祈っていました。
家にいて待機していてもビューっビューと風音がし、いても経ってもいられなかったことを思い出します。
我慢して我慢して風が収まったころに、すぐのハウスに行くと見るも無残な状況になっていました。
ハウスの天井が苺の苗にのすぐ上にあり、簡単に言うと、ぺちゃんこになった感じです。
言葉が出ませんでしたし、先行き真っ暗で涙がボロボロ出てきました。
父親と母親と私で、潰れたハウスを無言で眺めていたのを思い出しました。
絶望とはあの時のことを言うのかと思います。
ただ1つ希望を与えてくれたのが、潰れたハウスの中で大切に育ててきた苺の苗が緑で、水を上げていたのです。
運良く、苺の苗は生きていたのでした。
絶望の状態の私に光を与えてくれました。
「この苺を何とかしなければ・・・。」
と思ったのですが、どこから手を付けていいのかわからず、
呆然としていましたが、
「やるしかない。」
と腹を決め、次の日からハウスの解体を始めていきました。
当時は苺組合に社属していたので、組合の方々もハウスの解体の手伝いに来てくれ復旧していきました。
解体のほとんどを両親と行ったのですが、その時ほど、家族の有難味を感じたことはありませんでした。
あの潰れたハウスの映像は今での頭の中の残っています。
今回、被害に遭われた方は大変な心境かと思いますが、是非、諦めずに頑張っていただきたいと思います。
このような被害や映像を見ると、あの時の心境が蘇ってきます。
20年も前のことです。まだ若かったから力もわいてきたのかもしれませんが、
今の年齢で、被害に有ったらと思うと、今更ながら力が出てくるかが疑問です。
人間がいくらジタバタしても自然の猛威にはかなわないと思う様になりました。
偉大な力の元で、農業を営まさせていただいていることを忘れてはいけないのだと思いました。
れっどぱーるでは今現在、2名の特定技能実習生に仕事を手伝っていただいています。
2人ともインドネシア出身でよく頑張ってくれます。
こちらのニコニコお姉さんがメリさんです。
25歳でれっどぱーるには去年の11月から来てくれています。
メリさんは日本語も上手で、同じインドネシアの方に日本語を説明してくれます。
N3と言う日本語資格に合格し、今後N2級を取得しようと日本語の勉強を頑張っています。
こちらの子はジェニさんです。
23歳で、メリさんと同じくインドネシア出身です。
彼女は8月かられっどぱーるに来て働いてくれているのですが、以前1年ほど前にも
日本に来て働いていて、2度目の日本になるそうです。
色白で、日焼けを気にしているようで、写真のようにいつもフードをかぶっています。
2人とのニコニコしていて、仕事を頼んでも喜んで仕事に取り組んでくれます。
とても助かっています。
私は海外の人を雇うことに対して抵抗がありました。言葉が解らない中で、どのようにして仕事内容を
伝えていくのかや、宗教的な問題や、生活面でサポートできるのかなどととても不安でしたが、
求人を出しても応募は来ないという事でお願いすることにしたのです。
一緒に働いてみて解ったことなのですが、心配することなどほとんどありませんでした。
一番心配していた、作業内容の伝え方ですが、私は日本語で話しているだけである程度分かってくれるのです。
本当の所私の話している言葉の意味が解っているかどうかわかりませんが、
作業をしてみると、伝えた様にやってくれるのです。
正直、びっくりしました。
多分私が思うところなのですが、言葉はよくわからなくても、人がやっている作業を見て
それを自分なりに工夫して行っているのではないかと思っています。
言われたことをただ漠然とやるのではなく、効率よくやろうと考えて
行動してくれているのです。
本当に感心します。
支援機関さんが私共に良い子を送ってくれているからなのかもしれませんが、大変良くやってくれます。
ジェニさんは働いたお金を母国の家族に送金しているようです。
大したものだと思いませんか?
言葉も片言しかわからない国で、生活して仕事をして、家族を助けるなんて今の日本人には考えられないことだと思います。
素直で素朴で頑張り屋さんです。
この二人のお陰で現場作業も順調に進んでいます。
事件を起こす海外の方もいると思いますが、こうして母国の家族のために頑張っている方たちもいます。
日本人だって海外で犯罪を起こしている方もいますし、国内でも犯罪を起こしている人もいます。
結局は、その人その人の人間性の問題なのではないのでしょうか?
既に日本は労働力不足が大きな問題になってきていると思います。
この労働不足の問題を解決していくには、海外の方々の力が必要になると思います。
少なくとも今の日本の農業界には海外の方々が必要不可欠だと思います。
日本人ファーストという言葉もありますが、ファーストもセカンドもなく
同じ地球に住む同じ人間として仲良くやっていけたらいいなと思います。
彼女たちも日本はいい国だと言ってくれています。
この国を守っていくのも私たちのやり方にかかっているのでしょうね。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
富丘佐野農園株式会社 佐野真史