Blogしゃちょうのブログ

体調はいかがですか?

2022.01.27

皆さん最近コロナの感染が、ものすごい勢いで広がっていますが、
体調はいかがでしょうか?
れっどぱーるの苺たちも、1花目のピークを終え、
大粒苺が減り、中粒から小粒の苺たちが増えてきました。
この後、2月10日頃になりますと、2花目の大玉がまた収穫
出来そうです。お楽しみに。
生育などの問い合わせも、お気軽にお電話ください。

プロフィール2

 

「就農決めました」

 

私が進学しました農林短期大学校(現 磐田市にある静岡県立農林環境専門職大学)
は2年で卒業になるのですが、この学校には学びの最後の山場として農家留学と言い、
農家さんに泊まり込みで2カ月研修するとゆうカリキュラムがありました。

私が研修させて頂いた農家さんは、伊豆韮山で苺の栽培面積45a,
当時38歳でバリバリの堀井一雄さんという方でした。
仕事はするし、遊びもするタイプで、2日に1日は飲みに連れて行って頂いていました。
とにかく、タフで、前向きで、生き生きとイチゴの栽培に取り組んでいました。

そんな堀井さんの姿をまじかで見ているうちに、農業に対するイメージが変化し始めました。
土にまみれてただ仕事するだけのイメージから、「仕事もするけど遊びもする」。
メリハリのある今まで見た事のない農業スタイルでした。
生き生きと仕事をこなし、夜は飲みに行き、こんな農業が自分にも出来たら面白いんだろうな。
とうっすら考えるようになっていきました。

運がいいのか悪いのか解りませんが、研修期間が12月上旬~2月上旬で苺農家にとっては一番の稼ぎ時です。
ある時、堀井さんが見せてくれたのは1週間の売上表でした。それもクリスマス前後のです。
売上を見てびっくりです。勿論数字は凄いです。クリスマスの時期の物ですから。(笑)
単純な私は、その売り上げ額だけを見て農業ってすごいじゃないか。
と思ってしまいました。

当時、堀井さんは、我が家の2倍ぐらいの面積の苺を栽培していたのですが、
農家は儲からないというのが自分の常識でした。
その自分の固定観念をいい意味で壊してくれました。
「ほら見てみろ。農業だってやり方次第で儲かるんだ。」
今でも覚えていますが、堀井さんが私に投げかけた一言でした。

その数字を見て我が家の農業に希望をもった瞬間でした。
やればできるかも・・・・。

正直進路に迷っていたのも、農業は大変な仕事で儲からないと決めつけていたし、
私の小さい頃の苦い思い出があったからです。

 

私が生まれた家は、古い昔ながらの家で、玄関から台所までが土間になっていて、
トイレは外にしかなく台風でも外まで出ていかないと用足しが出来ない状態で、
お風呂は薪をくべる「いわゆる五右衛門風呂」で、シャワーもなくもちろんお湯も出ません。

寒くてお風呂に入るとお湯はさめていて、裸のまま薪をくべなければならなく、
温かくなるつもりが余計に寒くなりました。いま思い出すと北の国からのような暮らしです。

そんな生活をしていたせいか、友達の家に遊びに行ったりすると、
やけに他の人たちの生活が良く見えて、劣等感を感じ農業は儲からない。
我が家は貧乏だと思うようになっていきました。

でもそんな貧乏を感じながらも親と畑に行きキャベツをトラックまで運んだり、
トウモロコシの収穫を手伝ったり、トラクターで畑を耕したりと
身近で頑張っている両親を助けようと自分なりに一生懸命でした。
そんな姿を友達に見られ馬鹿にされた事もありました。
とても悔しかったですが、言い返せなかったです。

お手伝いのご褒美に、時々市場の帰りにフライドポテトを買って頂き、それが美味しかったのを覚えてます。
また忙しくてどこも行けず、親と一緒にいたい私は畑に行って手伝うことで、
寂しさを紛らわせていたのかもしれません。

このような幼少期の体験から素直に農業を受け入れる事が出来なかったのです。

いろいろな思いがあり迷っていたのですが、あの伝票が私の考えを変えたのでした。
就農して面積を2倍に増やし、技術をマスターして沢山生産する。
そうすれば雇用もできるし、儲かるし、両親もちょっとは休めるし、
自分もメリハリ付ければ楽しい生活になる。

と考え就農を決心したのでした。