2025.03.12
このこのブログは日々のれっどぱーるのハウスでの作業や、イベントの様子や、
私の感じたことや、経営について勉強したことなどを毎週木曜日に
アップしています。これからもよろしくお願いします。
皆様からの暖かいコメントもお待ちしてます。
2025.3.13
3月に入り、3寒4温で暖かくなっていくかと期待していましたが、
寒波の襲来で、各地で大雪が降りました。
れっどぱーるがある富士宮市の青木地区では雪は積もりませんでしたが、パラパラと
雪が舞いました。
雪が少なかった富士山も再び深い雪景色となりました。
今回は、富士山の麓まで雪が降ったことが解ります。
周りの山々も一気に白くなりました。
寒波で寒いイメージがありますが、よくよく昔のことを思い出してみると、
1年に2回くらいは富士宮の青木でも雪が降り、うっすら積もっていました。
そう考えると、雪が舞った程度という事は昔よりも気温が高くなっていることだと
気付きました。
寒い寒いと言っても寒さの質が変わったように思います。
昔は2月の寒いときは、毎朝外の水道が凍り、水が出ないのが
当たり前でした。それが今では水道が凍るという事は滅多にありません。
寒い寒いと言っていても、昔よりは確実にあったかくなってきています。
そんな中、苺の納品で通る道の沿道では、早咲きの桜が綺麗に咲いていました。
ピンクと言うよりは薄い赤色と言う感じで、
ソメイヨシノとはひと味違います。
私は花のことはあまり詳しくないのでわからないのですが、
早咲きの桜で有名な河津桜と同じ品種なのでしょうか?
種類は解らなくても花は綺麗です。
数日前にはただの木の枝だったところに、一気に薄赤色の花が
咲き乱れます。桜の木にしてみたら、じっと冬を耐えて咲かせた花なのでしょうね。
この桜も3部先咲きと言ったところでしょうか?
今週末には満開になりそうですね。
しかし、2月の後半まで雨が少なくて晴天続きで良かったのですが、
3月の寒波以来、お天気が芳しくありません。
2月まで降らなかった雨が3月に降るようなイメージです。
これから春のお花見シーズンに向けて天気が回復してくれることを
祈ります。
お花見も沢山の方が楽しみにしている行事です。
一年に一度の春のお花見シーズンを楽しみたいですね。
鳥もお花見を楽しんでいるようでした。
先日、去年からお付き合いのある養護児童施設の子供たちに、
苺のプレゼントをしてきました。
今回は、知り合いの息子さんで、只今れっどぱーるで苺摘みのご案内係を
してくれているk君と一緒に施設に行ってきました。
3か所の児童養護施設に行ってきたのですが、
1月に苺を持って行ったときにとても喜んでくれて、
寄せ書きを書いて送ってくれました。
その言葉を読んだら、生の苺があるうちに何度か食べさせてあげたいと
思い、今回伺うことにしました。
その日は雨で、子供たちも施設の中で勉強でもしていたようで、
静かな雰囲気でしたが、施設の中にいた子供がいたので、
「苺のおじちゃんだよ。苺をたくさん持ってきたから、皆で食べな。」
と声を掛けました。
男の子でしたが、照れくさそうに「ありがと」と言って
部屋に走っていってしまいました。
先生から頂いた御手紙には、「普段なかなか苺を食べる機会が少ないので、
子供たちは、数を数えて分けあったり、いっぺんに食べてしまわないで、
何日かに分けて大事に食べる子供がいた。」と書かれていました。
私はそのお手紙を読み、目頭と胸が熱くなりました。
色んな事情を抱えた家庭があると思いますが、
親と離れて生活をしながら頑張っている子供たちが喜んでくれた笑顔を
想像すると心が温かになりました。
k君も自分の身近にこのような施設があり、色んな事情から親と生活することが出来ない
子供たちがいることを知り、今の自分の環境が有難いと思ったそうです。
苺のシーズンは5月末まであります。
そうして頑張っている子供たちにまた苺を差し入れしようと思います。
子供たちの記憶の一部に、施設で食べた苺のことが残ってくれたら嬉しいです。
施設にはお雛様が飾ってありました。
お雛様のお祝いに間に合って良かったです。
近江商人と言えば「三方よし」と言う言葉は聞いたことはありますが、そんなに深い意味まで知りませんでした。
また、以前商売の大事なことを学ぶものとして、「てんびんの詩」を経営塾で鑑賞させていただきましたが、
ドラマの元となったものは、近江商人の理念や、商法で、一人の少年がどの家にでもある鍋蓋を売りながら、
色んな経験をし、わがままな性格から、素直で人に可愛がられる人間性を身に付けて、鍋蓋を売り、一人前の商人に成長するストーリーでした。
改めて、近江商人のことを調べてみると人として大切なことを当たり前に守ることを大事にしていることが解りました。
近江商人に伝わる家訓は、お金儲けの秘訣や技術が記載されているのではなく、
代々の当主が子孫に信用や、信頼の重要性、勤労や勤勉の大切さ、
そして質素倹約(奢りの戒め)など、いつの時代にも人として必要とされる基本的なことが書かれています。
1,「三方よし」・・(売り手よし、買い手よし、世間良し)は近江商人の商人道を象徴する言葉です。
売り手と買い手の双方のみの合意だけではなく、行商先を含めた世間に利益を提供すること、つまり、世の中から求め必要とされる正当な商いを心がけていました。
2,始末してきばる・・「始末」とは無駄にせず、倹約することで、単なるケチではなくたとえ高くつくものであっても本当に良いものであれば長く使うという、長期的な視点で物事を考えることをしていたようです。
また、「きばる」とは本気で取り組むことです。
3、利真於勤(りはつとむるにおいてしんなり)・・利益は商人本来の勤めを果たした結果としてのみ得られるものであり、自分だけの利益を考えてはいけない。利益はその任務に懸命に努力した結果に対する「おこぼれ」に過ぎない。
4,陰徳善事・・人知れず善い行いをすることを言い表したもので、自己顕示や見返りを期待せずに人のために尽くすこと
以上の4つのことが近江商人が大切にしていたことのようです。
この4つのことを踏まえて自分の事業や、自分の事と照らし合わせてみることにしました。私は苺の生産者でもあり、苺を販売している商人でもあります。以前苺を栽培しているだけの時はただただ自分が納得する良い苺を栽培すればいいと思っていました。最初の頃は栽培技術を身に付けることで、秀品率が良くなったり、収量が増えることで喜びを感じていましたが、栽培技術が安定し、収量や、品質の向上にも上限があることを感じ始めるようになり、数字的な面でも、売り上げが伸び悩み、段々と経営が苦しくなっていきました。その結果、自分で苺を売ろうと決心し、商人への道を進み始めたのですが、今思えばいばらの道へ突っ込んでいったようなものでした。
苺を販売し始めたころの私は、(私が育てた苺はどこの苺にも負けない。美味しいに決まってる。1度食べたらその違いが分かる)と言ったように、今思えばてんびんの詩の鍋蓋を売る少年のように、自分勝手で、傲慢で、利己的でした。そんな人間が商売しても物が売れるわけがありません。
生産者が直接に苺を売ることで信用され、売れると思っていたのですが、自分が育てた苺が売れない事実を知り、「1度食べたらわかる」と言う考えから「1度でいいから食べてみてください」と言う考えになり、苺を知り合いに配ることにしました。
傲慢だった私は、タダで自分が育てた苺を配るなんてことをするとは思ってもいませんでしたが、一生懸命に育てた苺なので、捨てるよりも誰かに食べてもらいたいという一心で配りました。
当時無名で誰も私のことなど知らないので、相手にもされなかったのでしょう。
それが無料で苺を配った方から美味しかったと言ってもらう様になり、注文をいただくようになっていきました。
それから少しづつ売り上げも上がっていったのですが、今までしたことのなかった「売る」ってことを真剣に考えるようになりました。
売るという事を真剣に考えると自ずと「相手はどんなものだったら買ってくれるだろうか?」「どうすれば手に取ってくれるだろうか?」と相手の立場になって商品を考えるようになりました。
お客様は自分が納得しなければ買ってくれません。
お客様の目を引き、お客様に納得してもらわなければ苺を買って貰えないことが解りました。
客様が苺を買ってくれるほど嬉しいことはありませんでした。
また買ってくれたお客様が再度「おいしかったからまた買いに来ました。」と言って来ていただいたときは苺を一生懸命に育ててきて良かったなと思いました。
この時の私は、私とお客様が良ければそれでいいという考え方でした。
それから経営塾でいろいろと学ばせてもらうようになってから、私の考え方は「二方よし」の考え方だったと気付きました。そうです(売り手良し、買い手よし)まででした。でもそれでは商売が伸びていかないことを教えていただきました。大事なことはその先の(世間よし)まで行う事でした。
利己的で、自己中心的な私は自分が育てた苺をお客様が喜んで買ってくれて、自分が儲かればいいと考えていました。世の中のことまで気にしていられないというのが本音でした。
その後、自分の役目とか、自分の生きる意味などを考えていくうちに、「ここで商売をさせていただいているのも地域の皆さんの協力があったり、お客様が私たちを認めてくれて来てくれるから商売が成り立っている」ということに気付くようになり、段々と世の中に貢献していこうと考えるようになってきました。
40代後半でやっと「三方よし」の意味が解ってきました。
これからは、世の役に立つことを考え実行していこうと思っています。
その一つが、「4,陰徳善事・・人知れず善い行いをすることを言い表したもので、自己顕示や見返りを期待せずに人のために尽くすこと」をしていこうと思います。困っている方や、弱い立場の方々に自分が出来る範囲で支援を行っていきたいと考えています。
ここまで事業が続いてきたのも、沢山の方々に支えられてきたからです。
支えられる立場から支える立場になるのが、今まで応援してくださった方々に対する恩返しだと思っています。私のような人間がやれることは小さなことかもしれませんが、自分がやれる範囲で、人様の役に立てることをしていきます。
これが今回近江商人の理念、心持を学び自分に足りないものを知り、損を受け入れ、人の役に立つ行動をしていこうと思いました。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
富丘佐野農園株式会社 佐野真史